大判例

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東京高等裁判所 昭和41年(ラ)766号 決定

そこで考えるに、民事訴訟法第五四九条第四項、第五四七条第二項に基づく強制執行停止決定は、その性質に鑑み、いつたんこれが成立し効力を生じたのちにおいては、法律上明文の定めのある場合たとえば同法第二〇七条により準用される同法第一九三条の二、第一九四条等の場合をのぞいて、同一裁判所がこれをみだりに取消変更することを許さないとする拘束力を有するものというべきであり、しかして、この種の強制執行停止の申立に対する裁判に対しては、同法第五〇〇条第三項の規定の類推により、不服の申立を許さないものと解される(最高裁判所昭和三九年(ク)第三二四号、昭和四〇年七月二〇日決定参照)のであるから、同法第四一七条を適用して抗告による再度の考案の名のもとにさきの決定を取消変更する余地もないものといわなくてはならない。

したがつて、本件において、さきに東京地方裁判所がした強制執行停止決定に対する相手方からの抗告は不適法なものであつたのにかかわらず、同裁判所が右抗告に基づく再度の考案により、右決定を取り消し抗告人の申立を却下する旨の裁判をした措置は違法というほかはない。なお、本来、強制執行停止の申立に関する裁判に対しては不服申立を許さないことは右のとおりであるが、このように法律上決定をなすことが許されない場合であるのにかかわらずなされた違法な決定に対しては、同法第四一一条を類推して、その違法の是正のため特にこれに対し抗告をすることができるものと解するのが相当であつて、本件抗告は適法に提起されたものというべきである。

(岸上 小野沢 野田)

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